こんにちは青梨子訪問看護ステーションです。
コロナ禍の中、気持ちは沈んでいないでしょうか。
私はこの世の中だからこそ、モチベーションを上げられるように好きなことをするように努めています。明るく、元気に、前向きに物事を考え利用者様のために、一日一日精一杯生きるしかないと考えています。
~最期まで仕事を全うし、家族に囲まれながら過ごした看取りの事例~ 所長 関根京子
昨年の12月下旬に、大学での私の講演を聞いた受講生(保健師の奥様)から突然電話がありました。
「以前講演を聞いたことがあるものです。親族で現在病院に入院中ですが、年末に家に帰って、家で看取りをしたいのですが、訪問看護をお願いしたいと思います。お願いできますか。」
と、話がありました。
12月下旬に退院してAさんの看取り看護がスタートしたのです。
Aさんは意識がボーっとしていて、排尿が1日に50ml、血圧も低下していたため、1日も命がもたないのではないかと私は思いました。
ところが、Aさんは11日間、奥様と息子さんの献身的な介護のおかげで楽しい思い出をつくり、最期は家族に見守られ安らかに人生を閉じたのです。
Aさんは自分で作成したステレオで静かなクラッシックの曲を聞き、年末にお蕎麦を食べ、元旦にはベッドサイドから初日の出を奥様と見たり、車椅子に自分で移動し、足浴をしてリラックスしたり、コロナで会えなかった親族と再会し、手を振ったり、頷いたり、最期のお別れをしっかりしていました。
私がAさんから教えて頂いたことは、最期の最期まで、医療従事者(放射線技師)として全うしていたことです。眼を閉じ浅眠状態の時に「きちんとレントゲン撮れてるかな?」と一言、それを聞いた奥様は「しっかり撮れてますよ!」と優しい声で返答し安心した様子だったと話していました。
私もAさんのように、体が動くまで訪問看護をやり続けたいと思います。Aさんのように、一つの仕事を30年40年やり向く人生、その先に何か見えるような気がするのです。
これからもAさん家族のような素敵な家族に出会って、地域の課題を解決できる訪問看護ステーションを目指していきたいと思います。
(事例提供に家族に承諾を得て掲載させて頂きました。)